2011-12-27

祖霊舎

みたまやと読むそうです。

祖霊舎の扉。
祖霊舎は、神道において祖先の霊を祭るための神棚です。
仏教の仏壇と同じですね。
和室に納めますが、くずしたデザインの部屋です。
今回は二通りのデザインを提案して、普段やらないほうに決定しました。

左がいつもの組子で、幅一分(約3ミリ)。右が今回のもので幅二分(約6ミリ)。
材料は秋田杉です。わぉ!最高の材料です。気合が入ります。
しかし普段使わない道具を使用したため、調整に非常に時間が掛かりました。
削ってはばらし、調整して組み立て、また削る。
何度も何度も繰り返し、こんなに苦労しても、この道具は今回使い終わると
今度いつ使うのことやら・・・

そんな道具が増えるいっぽうです。


上桟の仕口です。
組子をガラスで挟み込むので複雑な仕口です。ここは鑿の切れ味が肝。
組んでしまえば見えないところですが仕上がりに影響してきます。
手抜きはできないのです。



完成。木地の状態です。写真ではわかりませんが、材料の使い方にも非常に気を使っています。


部屋の部材も全て着色仕上げでしたので、扉も同色に。
取っ手も和風ではないものです。

伝統的な技を現代のデザインに取り入れることは、私も非常にやりがいのあることです。
これからも機会があれば、是非挑戦したい!

2011-12-10

No.202再生

No.202
日本デザイン界のパイオニアの1人、剣持勇がデザインした名作椅子です。
私のもとに来た二脚はこんなことになってました。


無惨

二脚の使えるパーツを剥離してきれいに直し、組み上げます。

着色して、座面にウレタンを入れて生地を張ると


少しぼこぼこしてますが、使っているうちになじみます。


前回直したもの。
クッションが薄かったので今回は厚めに。

今回はオリジナルと同仕様でパイピングにも挑戦。


手前味噌ですが、よくできました。
100万脚以上売れている椅子ですが、手を掛ければ自分だけの一脚に!